古文文法 「けり」 詠嘆・伝聞過去
古文文法 「けり」 詠嘆・過去
■視点
【接続】連用形-
【活用】未然 連用 終止 連体 已然 命令
【活用】けら ○  けり ける けれ ○

【意味】・過去 「~タ」
    ・詠嘆  「~ヨ、~ナァ」 <和歌の中、会話文中、感想を示してる文

cf)
詠嘆法=
強い感動を表す修辞法

【区別】形容詞 or 伝聞過去の助動詞
視点)接続する上が連用形かどうか

・形容詞「なし」の已然形の一部
葉こそなけれ

・伝聞過去の助動詞「けり」の已然形
葉こそなかりけれ
(*「かり」が連用形)
(*「こそ」の係り助詞が文末を已然形にさせる)

■例文

【その1】
1.ちごこそうつくしかりけれ。

2.七夕まつるこそなまめかしけれ。

3.身はいやしながら母なむ宮なりける。

4.深山には松の雪だに消えなくに都は野辺の若菜摘みけり

5.「命長きは憂きことにこそありけれ」と思しけり

【その1の解説】
1.詠嘆・伝聞過去の助動詞
「赤ん坊ははかわいいなぁ」
「かり」が連用形 → 詠嘆・過去の助動詞
係り助詞がつくと → 前に主語がある

2.形容詞の一部
「七夕を祭るのは優美である」
「けれ」の上が連用形でない → 形容詞の一部

3.伝聞過去の助動詞
「身分は低いが母は宮中の人だった」
接続助詞「ながら」 → 連用形、体言、形容詞の語幹-、逆接「ケド」
「いやし」 → 「1.身分が低い 2.不思議だ 3.□」

cf)
語幹
=国文法で、活用語の中の変化しない部分

4.詠嘆
「山の奥では松に降り積もった雪さえ消えていないのに、都では野辺の若菜をつんでいるよ」
和歌中にある「けり」 → 詠嘆「~ヨ」
「だに」類推の副助詞 → 「~サエ」
接続助詞「に」 → 連体形-、逆接「ケド」  

類推)
軽い:雪が降り積もっている
重い:若菜をつんでいる
要は
都会の季節が暖かくなっていることをより強く言いたい


5.詠嘆
「長生きすることは辛いことであるなぁ」と思った
会話文中の「けり」 → 詠嘆「~ダナァ」
「憂きこと」 → 「辛イコト」



cf)
類推=
・類似の点をもとにして他の物事を推し量ること
・前文に軽いものをあげて 後文にもっと重いことを想像させること

analogy

…から類推して by analogy with ... =on the analogy of ...

◇類推する
analogize
(他)…を〔…と〕類比(して説明)する〔to, with〕

◇類推で
by parity of reasoning
ラベル: edit post
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